ビジネスと人工知能・データ解析について思うところ
電通のデータサイエンティスト近藤さんのFacebook投稿を見て、僕も思うところがあったので、書いてみました。近藤さんとは一度お酒でご一緒しただけで、まぁ、近藤さんは僕のことなど覚えちゃいないでしょうが。。
人工知能・データ解析についてよく言われることを3つ挙げてみますと、
1 人工知能・データ解析をやるにはまずはデータが必要で、データと言ってもただ「データ」があればいいわけではなく、教師ありのデータが一式揃ってないないだめ。
2 論文を読んで実装できるくらいの実力(?)がなければ、この先データサイエンティストとして生き残っていけない。
3 これからデータサイエンティストの市場価値は下がっていくから、今からデータサイエンティストになろうとするのはハイリスク・ローリターンだ。
1 については、そりゃおっしゃる通りで、教師ありのデータが一式揃っていればなんだってできます。ただ、そういう恵まれた環境というのはそうそうないわけで、そんななかでもなんとかバリューを生むのがやるべき仕事なはずです。
最近では様々な人工知能・機械学習アルゴリズムが無料で利用できます。間違いなくこの分野の技術はコモディティ化しています。一式揃った教師ありのデータから将来予測モデルを作成することなど、クラウド上でタダみたいな金額でできてしまいます。もはやデータサイエンティストなんかが関与する余地などありません。この分野で戦って行こうとすると、そりゃ、年収350万にでもなってしまいます。
データサイエンティストがビジネスに付加価値を返せるとすれば、それは教師のないデータから売れるものを作る技術しかありえません。もはやこの領域はデータ「サイエンス」というよりは「アート」です。自分からビジネスサイドに飛び込んでいって、データがどうやって出てきたのかを「体感」する。データをよ〜く観察して、教師なしデータにでも適用できる解析手法を駆使して、データに売れるストーリを語らせる。
2 論文が読めて実装までできる、なんてのは、まぁ、これをやるためにあったほうがいいスキルでしかないのでしょう。あ、DeepMindの最先端の研究室にでもいくつもりなら話は別ですが。
前々職のインターネット広告、前職のデータ・ドリブンな保険、いずれでも僕は教師なしのデータ解析しかやってきませんでした。それは、教師ありの分析なんて誰だってできるから、僕の戦う領域ではないな、と思っているからです。
(いや、実は教師ありのデータで予測モデルを作るのが苦手なんです、僕。汗)
教師ありデータから予測モデルを作る領域での戦いは、データサイエンティストはコモディティ化した技術に完敗です。今からこの領域で戦いを挑んでいくのは、確かに3の言っているようにハイリスク・ローリターンなのだろう思います。
ただ、「アート」の部分で価値を生める余地はまだまだあります。
いろいろなものに触れて視野を広〜く持ち、データに売れるストーリを語らせる技術を高めていこうと思っています。
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